こんにちは、161P(@_161P)です。
ボーカルのミックス作業をしているなかで「なんだか耳が痛いな」「キンキンするな」といった経験、ありますよね。
私もまだミックスに慣れていないときはよくこの現象に悩まされていました。
今回はボーカルミックスの「キンキン問題」について解説していきます。
この記事を読めばわかること
・ボーカルのサ行がキンキンする原因と解決策
・ボーカルのサ行のキンキンが及ぼす悪影響
それでは解説していきます。
目次
ボーカルのサ行がキンキンする原因と解決策
結論、ボーカルがキンキンする場合は以下のような原因が考えられます。色んな悪影響が及ぶ前に原因を特定して必ず解決しましょう。
サウンドがキンキンする原因
・EQ処理が間違っている
・発音の処理ができていない
・音割れをおこしている
それでは一つずつ解説していきます。
原因1:EQ処理が間違っている
まずは王道のEQ処理問題。
サウンドがキンキンする原因はボーカルのEQ処理が正しく行われていない可能性があります。
注意すべきことが2点あるので、該当していないか確認してみてください。
高音域がブーストされている
ピークが削れていない
高音域がブーストされている
よくある原因の一つとしてこれが挙げられます。
ボーカルを前に出すには中音域~高音域に注意してMIXを行うのですが、ボーカルを前に出すことに意識がいきすぎて、必要以上に中高音域がブーストされていることがあります。
せっかくボーカルが前に出ても、それが不快な音であれば意味がありません。もしこれに当てはまる場合はいま一度設定を見直してみましょう。
具体的な解決策としては以下のとおりです。
・他の楽器の帯域を削る
→ボーカルを前に出したい場合は、中高音域をブーストさせるのではなく、他の楽器の帯域をカットしてボーカルのスペースを確保してあげましょう。
・マルチバンドコンプレッサーを使う
→もしも甲高い音が一部なら、飛び出してきた甲高い音だけを抑えるためにマルチバンドコンプレッサーを使うことをおすすめします。
特にマイクや声質が要因で、もともとのサウンドが甲高いも効果的です。
ピークが削れていない
次に多いのがピークが削れていないままミックスを進めている場合。
中音域~高音域にピークが残ったままだとどうしてもキンキンするサウンドになってしまいます。その場合は必ず削るようにしましょう。
なお、ピークの削り方については以下の記事にまとめています。ぜひご参照ください!
原因2:ボーカルの発音(特にサ行)の処理ができていない
EQ以外でキンキンする原因として考えられるのはズバリ以下2つの発音の処理が上手くできていないからです。
破裂音が処理できていない
サ行やカ行の処理ができていない
破裂音が処理できていない
破裂音とは口唇で音を破裂させて発音する音です。
具体的にはパ行、バ行、タ、ダのような発音があります。
サ行やカ行の処理ができていない
こちらも破裂音と似た類ですが、つまるところは子音の処理です。
特にサ行、カ行、タ行は息を多く使って発音するために、空間系エフェクトを通した際に中高音域が強調される傾向にあります。これらの発音の処理が上手くできていないとキンキンしたサウンドになってしまいます。
エフェクト処理を見直すことでボーカルのキンキンを抑えることができます。
ボーカルのサ行のキンキンを抑える設定
具体的な対策は以下のとおりです。
・空間系エフェクトの設定を見直す
→キンキンしている箇所、いわゆるピークを削りましょう。
・EQでキンキンする部分をピンポイントでカットする
→空間系エフェクトの効果を弱める、センドの高音域をカットする。
・ディエッサーを挿す
→ディエッサーを挿すことによって、子音や破裂音が強調した瞬間だけ部分的に抑えることができます。(だいたいはディエッサーを使えば解決します)
※デュエッサーの効果が強すぎると関係のない帯域まで削ってしまうので注意してください。
原因3:音割れを起こしている
音割れも中高音域が「ビリビリ」と破れるような不快なサウンドですよね。よくある音割れの原因をピックアップしましたので該当していないかチェックしてみください。
・EQでブーストをかけている
・コンプで必要以上に音圧を稼いでいる
・ボリュームバランスがおかしい
・そのほかのインプットレベルをあげている
・アウトプットをあげている
上記4点の設定を見直してみましょう。なおボーカルのコンプレッサーの設定については以下の記事で詳しく解説しています。
ボーカルのサ行がキンキンするとどうなる?
ミックスしている時のキンキンと尖った音、非常に耳障りで気になりますよね。この音は必ず対処しないと色んな悪影響があります。
具体的には以下のようなデメリットがあります。
・耳を痛める
・曲を聴いてもらえない
・機材の故障につながる
1つずつ解説していきます。
耳を傷める
あの甲高い音は耳にとって非常に悪い音です。聞き続けると耳が壊れて、今後の音楽人生に悪影響を及ぼします。また一度耳を悪くすると治りにくいので気をつけてください。
曲を聴いてもらえない
耳が壊れるようなキンキンするサウンドを好んで聞く人はいません。
どんなに曲や歌が良かったとしても誰にも聴かれません。非常にもったいないですよね。
機材の故障につながる
あの異常な音は機材にとってもよくありません。機材の寿命縮めたり、故障につながる可能性もありますので必ず対処しましょう。
ボーカルの楽曲も自動でミックスしてくれる神ソフトを使えば全て解決
ボーカルミックスをはじめ、楽器や楽曲自体のミックスってめちゃくちゃ大変ですよね。
設定もかなり難しいので、かなりの時間がかかります。
昔はそれでもやるしかなかったので、根性で設定していましたが最近ではAIがミックスをしてくれるようになりました。
iZotope社から出ているプラグインを使えば、AIが自動的にミックス・マスタリングしてくれます。
有料ですがこれを使えばボーカルのサ行のキンキン問題からもすぐに解放されるので、予算に余裕がある人や、時短をしたい人はぜひ手に入れてください。
>>iZotope Bundles (Ozone9 Adv/ Neutron3 Adv/ Nectar3)
なお、iZotope社から出ているプラグインについての詳細は以下の記事にまとめています。

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